http://kanshiyonkoma.mangalog.com/Entry/189/「哭晁卿衡」李白
日本晁卿辞帝都
征帆一片遶蓬壷
明月不帰沈碧海
白雲愁色満蒼梧
李白(りはく)(701−762)作。
「晁卿衡を哭す(ちょうけいこうをこくす)」。日本の晁衡(朝衡)とは、
阿倍仲麻呂のこと。阿倍仲麻呂が、日本に帰国しようとして、難破して死んだと聞いて作った詩。実際には、阿倍仲麻呂は生きていて、以後、中国で一生を終えました。
「蒼梧」が、「広西の地名」と、「湖南省の山の名前(
舜帝が死んだ所)」の、どちらか迷いました。阿倍仲麻呂はベトナムに流れ着いたので、広西ならベトナムの隣ですから、近いのは前者です(ただ、今の広西の蒼梧県は、海辺でなくてけっこう内陸です)。
もしかしたら、阿倍仲麻呂が遭難した近くの地名を出しながら、暗に、帝舜の亡くなった山を指しているのかもしれませんね…。日本からの友人を、古の帝舜の死とストレートに重ねるのはちょっと違和感もありますけど…。