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漢詩四コマ劇場

漢詩(中国古典詩)を四コマ漫画で描いた作品を、200本以上掲載しています。

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「行路難」李白





金樽清酒斗十千
玉盤珍羞直万銭
停杯投筯不能食
抜剣四顧心茫然
欲渡黄河氷塞川
将登太行雪満山
閑来垂釣碧渓上
忽復乗舟夢日辺
行路難
行路難
多岐路
今安在
長風破浪会有時
直挂雲帆済滄海

李白(りはく)(701−762)作。
「行路難(こうろなん)」。行路難し、行路難し…。この詩の心の激しさが好きです。

※『NHK漢詩紀行』(石川忠久著、日本放送出版協会、1991)を参考にいたしました。
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「宣城見杜鵑花」李白



蜀国曾聞子規声
宣城還見杜鵑花
一叫一廻腸一断
三春三月憶三巴

李白(りはく)(701−762)作。
宣城(今の安徽省)にて、故郷の蜀を想う…。ホトトギスは、子規、杜鵑、杜宇、不如帰、蜀魂……などの異名を持ちます。むかし、周の末期のころ、蜀の王様・杜宇(とう)が、他国に亡命、再び王になることができずに亡くなり、その哀しい魂がホトトギスになった…というお話があるそうです。

「哭晁卿衡」李白



日本晁卿辞帝都
征帆一片遶蓬壷
明月不帰沈碧海
白雲愁色満蒼梧

李白(りはく)(701−762)作。
「晁卿衡を哭す(ちょうけいこうをこくす)」。日本の晁衡(朝衡)とは、阿倍仲麻呂のこと。阿倍仲麻呂が、日本に帰国しようとして、難破して死んだと聞いて作った詩。実際には、阿倍仲麻呂は生きていて、以後、中国で一生を終えました。
「蒼梧」が、「広西の地名」と、「湖南省の山の名前(舜帝が死んだ所)」の、どちらか迷いました。阿倍仲麻呂はベトナムに流れ着いたので、広西ならベトナムの隣ですから、近いのは前者です(ただ、今の広西の蒼梧県は、海辺でなくてけっこう内陸です)。
もしかしたら、阿倍仲麻呂が遭難した近くの地名を出しながら、暗に、帝舜の亡くなった山を指しているのかもしれませんね…。日本からの友人を、古の帝舜の死とストレートに重ねるのはちょっと違和感もありますけど…。

「峨眉山月歌」李白



峨眉山月半輪秋
影入平羌江水流
夜発清溪向三峡
思君不見下渝州

李白(りはく)(701−762)作。
「峨眉山月の歌(がびさんげつのうた)」。峨眉山は、四川省・成都近くにある名山(すみません…、北から見た画像がわからなかったので、グーグルの地図を見て想像で描いてます…)。李白が若いころ、故郷を出発した時の詩ではないかと言われているそうです。

「独坐敬亭山」李白



衆鳥高飛尽
孤雲独去閑
相看両不厭
只有敬亭山

李白(りはく)(701−762)作。
「独り敬亭山に坐す(ひとりけいていざんにざす)」。自然の中で山と向き合う。

「哭宣城善釀紀叟」李白



紀叟黄泉裏
還応醸老春
夜台無李白
沽酒与何人

李白(りはく)(701−762)作。
「宣城(せんじょう)の善釀紀叟(ぜんじょう・きそう)を哭す(こくす)」。
酒造りの名人・紀じいさんを悼む。「老春」は、じいさんの作るお酒の名前。

「怨情」李白



美人捲珠簾
深坐顰蛾眉
但見涙痕湿
不知心恨誰

李白(りはく)(701−762)作。
愛に悩み涙する美人の詩。眉をひそめる表情は、「西施の顰に倣う(せいしのひそみにならう)」の故事でもおなじみの、美人の色っぽい表情でしょうか。

「黄鶴楼送孟浩然之広陵」李白



故人西辞黄鶴楼
煙花三月下楊州
孤帆遠影碧空尽
惟見長江天際流

李白の、孟浩然(もうこうねん)(春眠暁を覚えず…の詩人です)を見送る詩。
黄鶴楼にて孟浩然の広陵に之くを送る、というタイトルです。
「故人」というのは、現代とは意味が違っていて、古くからの友人という意味です。

「月下独酌」李白



花間一壷酒
独酌無相親
挙杯邀明月
対影成三人
月既不解飲
影徒随我身
暫伴月将影
行楽須及春
我歌月徘徊
我舞影凌乱
醒時同交歓
酔後各分散
永結無情遊
相期邈雲漢

李白らしい名詩。月と影といっしょに、春を愛でつつ酒を飲む…。
連作四首の、第一首だそうです。

「子夜呉歌」李白



長安一片月
万戸擣衣声
秋風吹不尽
総是玉関情
何日平胡虜
良人罷遠征

李白(りはく)(701−762)作。
遠い戦場の夫を想う妻。
冬の服を仕立てるため、石や木の台の上で、生地をたたいて、やわらかくする…というのは、当時の秋の風景だったそうです。

「玉階怨」李白



玉階生白露
夜久侵羅襪
却下水精簾
玲瓏望秋月

李白(りはく)(701−762)作。
皇帝の寵愛を得られない宮女をうたう。

「自遣」李白

 

対酒不覚暝
落花盈我衣
酔起歩溪月
鳥還人亦稀

「自ら遣る(みずからやる)」、自分で自分をなぐさめる、といったタイトルの詩。
落花我が衣に盈つ、のフレーズが素敵です。

「春夜洛城聞笛」李白



誰家玉笛暗飛声
散入春風満洛城
此夜曲中聞折柳
何人不起故園情

「春夜洛城に笛を聞く(しゅんや らくじょうに ふえをきく)」。「折楊柳」は、楽府題で、別れの曲の定番。
旅人たちはこの曲を聞くと、自分が故郷を離れる時にこの曲で送り出してくれた故郷の友人たちを思い浮かべるのでしょうか。

「少年行」李白



五陵年少金市東
銀鞍白馬度春風
落花踏尽遊何処
笑入胡姫酒肆中

お金持ちの息子たちのきらびやかな青春を描く。シルクロードのお陰で、当時の長安はにぎやかな国際都市であったのだそう。

「早発白帝城」李白



朝辞白帝彩雲間
千里江陵一日還
両岸猿声啼不住
軽舟己過万重山

「早に白帝城を発す(つとにはくていじょうをはっす)」。朝早くに、白帝城を出発。スピード感ある一作。

「秋浦歌」李白



白髪三千丈
緑愁似個長
不知明鏡裏
何処得秋霜

「秋浦の歌(しゅうほのうた)」、全十七首の内、有名な第十五首。
「白髪三千丈」は、大げさなたとえの例としても有名です。哀しいのに、どこかユーモラス。

「静夜思」李白



牀前看月光
疑是地上霜
挙頭望山月
低頭思故郷

「静夜思(せいやし)」。静かな月夜の望郷の思い。

「贈王倫」李白



李白乗舟将欲行
忽聞岸上踏歌声
桃花潭水深千尺
不及王倫送我情

「王倫に贈る(おうりんにおくる)」。李白を美酒でもてなしてくれた村人・王倫に贈った詩。

「望廬山瀑布」李白



日照香炉生紫烟
遥看瀑布挂長川
飛流直下三千尺
疑是銀河落九天

「廬山の瀑布を望む(ろざんのばくふをのぞむ)」。
江西省の名山、廬山の滝を見ての作。


2012年2月、画像の1コマ目を修正しました。
滝の左手の奥にある山を「香炉峰」だと思っていたんですが、「双剣峰」だったらしい…。山ひとつと、滝を消しました…。

「山中与幽人対酌」李白



両人対酌山花開
一杯一杯復一杯
我酔欲眠卿且去
明朝有意抱琴来

「山中にて幽人と対酌す(さんちゅうにて ゆうじんと たいしゃくす)」。
山の中で、隠者とお酒を酌み交わす。3、4コマ目の会話からしますと、お互い、気のおけない間柄のようす。

「山中問答」李白



問余何意棲碧山
笑而不答心自閑
桃花流水窅然去
別有天地非人間

「山中問答(さんちゅうもんどう)」。俗世間から離れた、どこか別世界のような、山の中での暮らし。

「友人会宿」李白



滌蕩千古愁
留連百壷飲
良宵宜清談
晧月未能寝
酔来臥空山
天地即衾枕

「友人と会宿す(ゆうじんとかいしゅくす)」。友人たちとお酒を飲む…。天地が、そのまま、ふとんとまくら…、とは、李白らしくて素敵。

「客中行」李白



蘭陵美酒鬱金香
玉碗盛来琥珀光
但使主人能酔客
不知何処是他郷

「客中行(かくちゅうこう)」。タイトルは、旅の途中のうた、という意味。旅先でうけた親切と、美味しいお酒。

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