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漢詩四コマ劇場

漢詩(中国古典詩)を四コマ漫画で描いた作品を、200本以上掲載しています。

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「漫成」楊維禎



西隣昨夜哭暴卒
東家今日悲免官  
今日不知来日時   
人生可放杯酒乾

元の楊維禎(よういてい)(1296−1370)作。
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「暑夜」釈宋泐



此夜炎蒸不可当
開門高樹月蒼蒼
天河只在南楼上
不借人間一滴涼

明の釈宋泐(しゃくそうろく)作。
「暑夜(しょや)」。天の川、詩の中では涼しさを与えてくれないとは言っていますが、それでも、絵的には涼しそうです。

※『漢詩を読む 夏の詩100選』(石川忠久著、日本放送出版協会、1996)を参考にいたしました。

「蚊」黄中堅



斗室何来豹脚蚊
殷如雷鼓聚如雲
無多一点英雄血
閑到衰年忍付君

清の黄中堅(こうちゅうけん)作。
蚊が、強そうです…。まるで戦場です。

※『漢詩を読む 夏の詩100選』(石川忠久著、日本放送出版協会、1996)を参考にいたしました。

「雨中即事」袁枚



驚風萍葉開
帯雨池声大
青蛙抱仏心
踏上蓮花坐

清の袁枚(えんばい)(1716−1797)作。
雨の日の風景。
本当は、白黒の美しい水墨画風の絵を添えたら似合いそうな詩です。
1コマ目は、強い風に吹かれて分かれる浮き草。細かい所を目で観察しています。
2コマ目は、池の音を描写。
3、4コマ目で、ユーモアとともに、カエルと蓮の花が描かれます。

【補足】
ミクシィでの「漢詩・漢文・漢籍」コミュにて、叔夜さまより、参考になるご意見をいただきました。
あわせて紹介させていただきます。
■第一句「驚風」は、第二句と対句になっていると見て、「風に驚きて」。「開」は池に密集して浮いていた浮き草が、風に驚いて逃げ惑うかのように散り散りになる様ではないか…とのこと。
■第四句の「坐」は動詞ではなく名詞で、「座(座席)」の意味で、書き下しは「踏上す 蓮花の坐」。

「示内」沈受宏



莫歎貧家卒歳難
北風曾過幾番寒
明年桃柳堂前樹
還汝春光満眼看

清の沈受宏(しんじゅこう)作。康熙帝(在位1661年-1722年)のころに活躍した詩人。
旅先から、離れて独りで冬を過ごす、愛する妻に詩を贈る…。冬と春の対比が美しい作品。
……ちょっとラブラブに絵を描いてみました。
※『漢詩を読む 冬の詩100選』(石川忠久著、NHK出版)を、大いに参考に致しました。

「銷夏詩」袁枚



不著衣冠近半年
水雲深処抱花眠
平生自想無官楽
第一驕人六月天

清の袁枚(えんばい)(1716−1797)作。
若くして科挙に合格して高級官吏になり、40歳で役人をやめて、悠々と引退生活…。女弟子に囲まれて暮らしたそうです。
「花を抱いて眠る」、の「花」は、女性のことを指すとの話がありますが、絵で書くときは、暗喩は暗喩のまま、イメージで描きました。

「書懐」袁枚



我不楽此生
忽然生在世
我方欲此生
忽然死又至
已死与未生
此味原無二
終嫌天地間
多此一番事

清の袁枚(えんばい)(1716−1797)作。
飄々と、生死について詠う。
なんとなく、王梵志を思い出したりして…。
※『中国名詩集』(松浦友久著・朝日文庫)を、大いに参考にしました。

「苔」袁枚



白日不到処
青春恰自到
苔花如米小
也学牡丹開

袁枚(えんばい)(1716−1796)作。
清の黄金時代、乾隆帝の時代を生きた詩人。
こちらの詩は、日の当たらぬ所にやってくる春を歌います。

「意有所得雑書数絶句」袁枚



莫説光陰去不還
少年情景在詩篇
燈痕酒影春宵夢
一度謳吟一宛然

清の袁枚(えんばい)(1716−1796)作。

「尋胡隠君」高啓



渡水復渡水
看花還看花
春風江上路
不覚到君家

明の高啓(こうけい)(1336−1374)作。
春に隠者を訪ねる。

「秋夜月」劉基



秋夜月
黄金波
照人哭
照人歌
人歌人哭月長好
月欠月円人自老

明の劉基(りゅうき)(1311−1375)作。
明を建国した朱元璋の臣として、明の建国を助けた人物。

※『中国名詩集』(松浦友久著・朝日文庫)を、大いに参考にしました。

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