http://kanshiyonkoma.mangalog.com/Entry/140/「七夕」李賀
別浦今朝暗
羅帷午夜愁
鵲辞穿線月
花入曝衣楼
天上分金鏡
人間望玉鉤
銭塘蘇小小
更値一年秋
李賀(りが)(791−817)作。
七夕を幻想的に歌う。
これは、かなり解説がいりそうです…。以下、岩波書店の中国詩人選集『李賀』を参考にしながら、私見もまじえて、書いてみます。
1コマ目:天の川が暗い…は、牽牛・織姫を隔てる川が薄くなり、二人が出会っている。一方の、薄絹のカーテン…は、ベッドのカーテンで、同じ頃の、どこかの誰かの一人寝の寂しさ…?
2コマ目:穿線月…は、七夕の夜に、月光の下、五色の糸を針に通せたら女性は裁縫がうまくなるという風習があったとのこと。その女たちを照らす月。また
カササギは、天の川に橋をかけて織姫と牽牛を会わせる鳥のようです。曝衣楼…は、これまた七夕には、書物や衣類の虫干しの習慣があった、とのこと。それが高楼で行われているので、おそらく綺麗な着物が並んでいる光景。
3コマ目:天上で割れた金の鏡が、下界では、鉤の形をした玉のような月になる…。ここのくだりが素敵です。旧暦の七夕では、月は必ず半月、上弦の月になるそうです。
4コマ目:
蘇小小は、5世紀末の有名な妓女。死後も亡霊になり、ずっと恋人を待ち続ける…。一年に一度会える織姫たちとは違って、いつまでたっても恋人に会えません…。ちなみに、旧暦では、7〜9月が秋とのこと。
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