http://kanshiyonkoma.mangalog.com/Entry/178/「杜秋娘詩」(一部)杜牧
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地尽有何物
天外復何之
指何為而捉
足何為而馳
耳何為而聴
目何為而窺
己身不自暁
此外何思惟
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杜牧(とぼく)(803−852)作。
長篇「杜秋娘の詩(としゅうじょうの詩)」より、ラスト部分。
杜秋娘という、数奇な運命をたどった女性の生涯を歌い、続いて数奇な運命をたどった歴史上の人物たちのことをあげて、運命を支配する天の意図が人間にはわからないことを言い、このフレーズが続きます。最後に、「ゆえに酒を飲みながらこの詩を書いた、悲しみにくれたときに吟詠すれば、わが心を楽しませ慰めることができよう」、と詩はしめくくられます。
※『杜牧詩選』(松浦友久・植木久行編訳、岩波文庫、2004)を、おおいに参考にさせていただきました。
【参考文献『杜牧詩選』(岩波文庫)について】
杜牧の詩は、今まで有名な作品を数編しか知らなかったのですが、132首もの詩が入った詩集が出ていると知り、読んでみました。作品も素晴らしいのですが、解説がとても丁寧です。絵にするさいに、イメージがより浮かびやすかったです。ぜひ、ご一読をオススメします。